大食いでも太らない女子から学ぶ!特殊な体質じゃなくても太りにくくなるには?【ザ!世界仰天ニュース】


なんでテレビのあの人はあんなに食べるのに体型が維持できているの?
そんな疑問を抱いたことはありませんか?
2025年8月19日に放送の「ザ!世界仰天ニュース」の「大食いでも太らない女子のナゾSP」という企画では、まさにその謎に迫る特集が組まれました。
番組では、
- お米8.5合にしゃぶしゃぶ5.7キロをペロリと平らげる女性
- 一度に24本のバナナを食べる女性
- ラーメン4杯を軽々と完食する女性
が登場しましたが、彼女たちの共通点は、どんなに食べても太らないという羨ましすぎる体質!
一体、彼女たちの体には何が起きているのでしょうか?
番組で明かされた科学的メカニズムと、最新の研究結果をもとに、その秘密を解き明かしていきます。
※放送内容に私見を加えてお届けします。
太らない特殊な体とは?

今回の放送で紹介された女性に加え、過去にも同じ趣旨の内容で紹介された女性たちの食べっぷりは、まさに圧巻です。
白石陽菜さんの場合
- 身長153cm、体重42kgという華奢な体型
- 3キロのお弁当をペロリと完食
- 最も特徴的なのは、大食いしてもお腹が出ないこと
- さらにトイレに行きたくならない珍しい体質
CTスキャンで彼女の体内を調べると、胃袋が横方向に巨大化していることが判明。普通なら前後に膨らんでお腹がポッコリ出るはずが、横に伸びるため見た目にはほとんど変化がなかったのです。
「ありのまんま」さんの場合
- 身長168cm、体重45kgのモデル体型
- 大食いに目覚めて半年という新世代女王
- YouTubeを始めてわずか3ヶ月で大食い女王決定戦優勝
- 4.3キロの自作お好み焼きタワーも完食

体型が維持できる原理がわからない…
ららさんの場合
- 身長155cm、体重42kgのほっそり体型
- 母親も大食い
- 学生時代、お腹の音が鳴るのがいやで、卵かけごはんをたくさん食べていくことで大食いに目覚める
- お米8.5合にしゃぶしゃぶ5.7キロをペロリ
ちーさんの場合
- 身長155cm、体重40kgのほっそり体型
- コロナ禍のストレスで大食いに目覚める
- ラーメン4杯を軽々と完食
- 食べたらすぐにトイレ
- 大食い後はお腹が出るだけでなく、背中まで出る
飯友らん子さんの場合
- 身長170cm、体重55kgのモデル体型
- 子どもの頃からよく食べると褒められた
- 一度に24本のバナナとスイカ1玉を完食
- 食べたらすぐにトイレ
- 大食い後はお腹が出るが、6時間後には元通り
科学が解明した「太らない体質」の正体とは

彼女らがどれだけ食べても太らないのは、その体質に秘密があります。
1.特異な体質
ららさんやちーさんの体は特異な体質を持っていました。
というのも、食後の胃を調べるとお腹の半分以上が胃という状態でした。

参考引用:世界の仰天ニュース
専門家の先生からも

彼女の胃は異常に伸びやすい性質ですね。また、満腹感を感じないのは、その遺伝子がないか、満腹感を感じるレベルが高いと考えられます。
とのこと。また、ちーさんの体は、「空腹時には背骨が湾曲しているが、大食い後はまっすぐな背骨になっている」という、これまた珍しい体質。
専門家の先生からも、

こんな現象は見たことがない…
と驚かれていました。

参考引用:世界の仰天ニュース
2. 褐色脂肪の活性化
白石陽菜さんの場合、褐色脂肪が非常に活発であることが判明しました。
順天堂大学医学部の清水医師による研究では

褐色脂肪組織は分岐鎖アミノ酸を含む栄養素を利用して熱産生する臓器であり、熱産生によるエネルギー消費の増大から肥満抑制的に働きます。
ということが知られています。
実際にサーモグラフィーを使った簡易検査では、寒冷刺激を与えた後に鎖骨付近の温度が上がり赤く変化する人ほど、褐色脂肪が活発で太りにくい体質であることが分かっています。
白石陽菜さんはまさにこの反応が顕著に現れており、たくさん摂取して作られた脂肪も上手に燃焼させているのです。
実際、褐色脂肪細胞が多い『肩を回し続けると体重はどうなるか?』の検証結果は別の記事で解説していますので、こちらもぜひチェックするようにしてください。

3. 腸内細菌「やせ菌」の働き
「ありのまんま」さんの場合は、腸内のビフィズス菌が鍵を握っていました。
慶應義塾大学の福田真嗣特任教授の調査によると

彼女の腸内には特にビフィズス菌が多く見られた
とのこと。
彼女は長年手作りヨーグルトを摂取しており、「腸内細菌によって生み出される短鎖脂肪酸という物質が、脂肪が体に吸収されにくくし、さらには脂肪の消費を促す作用がある」ことが判明しています。
また、最新の研究では、「やせている人、やせ型の大食い女性の腸内フローラを調べると、『バクテロイデス』といった腸内細菌などが明らかに多い」という結果も出ており、腸内細菌の組成が体型に大きく影響することが科学的に証明されています。
「日和見菌」という言葉は学術的な用語ではないので正確な定義はありません。
腸内には「善玉菌」や「悪玉菌」と呼ばれる細菌が存在し、健康に良い影響を与えるか、悪い影響を及ぼすかで区別されています。
そのどちらにも当てはまらない細菌群が「日和見菌」と呼ばれることがあるのです。
日和見菌にはいくつか種類があり、健康な人の腸内に生息しつつも増えすぎると問題を引き起こす場合もあります。その中の代表的な日和見菌を紹介します。
1.バクテロイデス(Bacteroides spp.)
バクテロイデスは腸内で多くの割合を占める細菌で、免疫機能を活性化させたり、炎症を抑制する働きがあります。このように「善玉菌」としての役割も果たしますが、増えすぎると「悪玉菌」のように健康に悪影響を与える側面もあります。
4. 短鎖脂肪酸の効果
飯友らん子さんの腸内環境では、次の菌が特徴的に多く見られました。
- フシカテニバクタ―
- フィーカリバクテリウム
- ブラウティア

参考引用:世界の仰天ニュース
これらは短鎖脂肪酸を生成する菌ですが、短鎖脂肪酸には以下のような効果があります。
- 腸のぜんどう運動を促進:食べ物の排出をスムーズにする
- 脂肪燃焼ホルモンの分泌:太りにくくなるホルモンを腸の細胞から分泌
- 肥満成分のブロック:腸のバリア機能を高めて肥満に関わる成分を遮断
実際に「ありのまんま」さんも、大量の食事をした翌日にはトイレの回数が一気に増えていました。
これは短鎖脂肪酸の効果により、健康な便がしっかり排出されているため、太りにくくなっていると考えられます。
今から痩せ体質にはなれないのか?

これまで見てきたように大食いでも太らない女子は特殊な体質を持っています。ですが、

生まれつきの体質だから私にはどうしようもない…
このように考え、諦める必要はありません。
というのも、食生活を変えることで、腸内フローラを変えられるからです。
ヒトの消化管内には、およそ1,000種類・約百兆個、重さにして約1kgの細菌が生息し、複雑な微生物生態系を構築しています。この微生物群集は、びっしりと腸内に生息している様相から植物の群れ・叢(くさむら)に例え、「腸内フローラ」(または腸内細菌叢)と呼ばれています。
腸内フローラは、宿主の生理状態(年齢など)や食習慣の影響を受け変化し、また一人ひとり異なることなどが明らかにされています。腸内フローラはヒトに対しさまざまな生理作用をもたらし、有用な作用として、病原菌の定着阻害、免疫の調節、ビタミンの産生などがある一方で、有害な作用として、腐敗産物や発がん物質の産生、各種疾患への関与が知られています。
実際に「腸内フローラを大人になってから根本的にガラリと変えるのは難しいが、ある程度であれば後からでも変えられる」という研究結果もあります。
そして、腸内フローラを整えるには、特に食物繊維の摂取が重要になります。
具体的に、「やせ菌のエサとなる食物繊維、特に好みのエサである水溶性食物繊維を与えることが大切で、健康によい影響を与えてくれる活きた微生物(みそやヨーグルトなどの発酵食品)を取り入れると、やせ菌は刺激を受けて活性化される」とされています。
また、腸内環境については、別の記事で詳しく解説していますので、ぜひこちらもチェックしてください。


まとめ【特殊な体質じゃなくても太りにくくなるには?】

『ザ!世界仰天ニュース』で紹介された大食いでも太らない女性たちの秘密は、体質は大きく影響するものの、決して魔法ではありませんでした。
というのも、褐色脂肪の活性化や腸内細菌「やせ菌」の働きという、科学的に説明できるメカニズムが存在していたのです。
特に注目すべきは、これらの体質の一部は後天的に改善できる可能性があるということ。
褐色脂肪の働きを活性化するために「肩を回す」ことや、食物繊維豊富な食事、発酵食品の摂取などによって、私たちも「太りにくい体質」に近づけるかもしれません。
ただし、番組に登場した女性たちのような極端な大食いは、長期的な健康への影響が十分に研究されていないのも事実です。
ですので、羨ましい限りの「太らない体質」ですが、健康的な範囲で、まずは運動や腸内環境の改善に取り組み、代謝力を高めることが一番良い方法と言えます。
ぜひ取り組んでみてください!

